中島みゆきの知られざる原点 札幌と帯広で紡がれた名曲のルーツ
中島みゆきのキャリアを語る上で欠かせないのが、市井の名もなき人々へ注ぐ温かい眼差しである。その象徴となったのが、2000年にスタートしたNHK総合テレビジョンのドキュメンタリー番組『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』の主題歌『地上の星』だ。
高度経済成長期を支えた技術者や労働者たちの苦闘を描く同番組において、彼女の重厚でドラマティックな歌声は、全国のお茶の間に強烈なインパクトを与えた。シングルは発売から長期間にわたってチャートにとどまり、累計出荷枚数が100万枚を突破する歴史的ロングセラーを記録する。
スポットライトの当たらない場所で黙々と汗を流す人々を「地上の星」と称え、崖っぷちに立つ者に「ヘッドライト・テールライト」で道を示す。この視点は、厳しい自然の中で助け合い、耐え忍びながら道を拓いてきた北海道の開拓史の記憶と、無意識のうちに共鳴している。