座間9人殺害の闇「おかしい」と囁かれる単独犯行と供述の真相
法廷で白石死刑囚が語った言葉には、聞く者を困惑させる冷徹な変遷があった。東京地方裁判所立川支部で開かれた裁判員裁判において、最大の争点となったのは「被害者の承諾の有無」である。弁護側は承諾殺人罪を主張したが、本人は法廷で突如としてそれを覆し、金銭と性的暴行が目的であり「承諾などなかった」と言い放った。
長年この事件を追い続け、拘置所での面会を重ねたジャーナリストの渋井哲也氏の取材記録を紐解くと、白石死刑囚の言葉が相手や状況によって都合よく変化していた事実が浮かび上がる。死刑を受け入れるような態度を示しながら、控訴を取り下げてみせる劇場型の振る舞い。法廷での平然とした態度の裏に、真の動機や犯行時の克明な心理状態をあえて煙に巻こうとする計算が働いていたことは否定できない。