なぜ1月に大地震が続くのか?能登・阪神の教訓と科学が明かす真相
「1月は巨大地震が起きやすい」という言説は、果たして事実なのでしょうか。結論から言えば、気象庁の統計データおよび地震学の見地から見て、1月に地震の発生頻度が統計的に跳ね上がるという科学的根拠は存在しません。
気象庁が蓄積してきた過去100年以上の地震観測データを月別に分析すると、マグニチュード(M)6.0以上の強い地震の発生件数は、年間を通じてほぼ均等に分散しています。3月の東日本大震災(2011年3月11日)、4月の熊本地震(2016年4月14日・16日)、9月の関東大震災(1923年9月1日)や北海道胆振東部地震(2018年9月6日)のように、歴史的な激甚災害は春夏秋冬を問わず発生しています。
それにもかかわらず「1月=地震」という強い印象が定着している背景には、心理学でいう「利用可能性ヒューリスティック(想起しやすい出来事を過大評価する認知の偏り)」が働いています。お正月という特別な祝祭日に起きた能登半島地震や、戦後初の大都市直下型災害となった阪神・淡路大震災の衝撃があまりに強烈だったため、「1月は大地震の季節」という強い心理的バイアスが形成されているのが実態です。
地球物理学的に見ても、地震を引き起こすプレート境界と活断層の破壊現象は、地表から深さ数十キロメートルに及ぶ地下深部で進行します。地上における季節の移り変わりや気温の変化、大気圧の変動が、プレートの沈み込み速度や断層の歪みエネルギー蓄積に直接影響を与えることはありません。