皇居の秘境・桃華楽堂が魅せる奇跡の音響設計と今井兼次の独創

皇居の秘境・桃華楽堂が魅せる奇跡の音響設計と今井兼次の独創

話題沸騰中の 皇居の秘境・桃華楽堂が魅せる奇跡の音響設計と今井兼次の独創について、主要な情報をご紹介しています。

20世紀半ばの日本を席巻したモダニズム建築は、合理性と機能美を極限まで追求した。鉄とガラスとコンクリートの箱。しかし、今井兼次の歩みは一線を画す。彼はアントニ・ガウディの思想を日本でいち早く咀嚼し、そこに日本古来の自然観と精神文化を織り交ぜた。

香淳皇后への敬意を込めて名付けられた「桃華」の名の通り、建物全体が桃の花をイメージした優美なフォルムを描く。外壁に散りばめられたモザイクには、有田焼や九谷焼、信楽焼といった名窯の陶片に加え、宮内庁職員や市井の人々から寄せられた絵皿や陶器の破片までもが使われた。壊れた器に新たな命を吹き込む「破片モザイク(トレンカディス)」の手法は、再生と長寿への祈りそのものだ。冷徹な機能主義とは対極にある、血の通ったモダニズム建築の到達点がここにある。

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山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。