冷徹な悪役から温かな素顔まで!キム・ムヨルが放つ変幻自在の凄み
観客の記憶に鮮烈な印象を残した出世作といえば、映画『悪人伝』を外すことはできない。凶悪なヤクザの組長(マ・ドンソク)と手を組んで連続殺人犯を追う熱血刑事チョン・テソク役で、キム・ムヨルは荒々しいエネルギーを爆発させた。正義のためなら手段を選ばない危うさと、刑事としての執念がぶつかり合う演技は、カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニングでも絶賛を浴びた。
その一方で、Netflixの社会派ドラマシリーズ『未成年裁判』では180度異なる顔を見せる。少年犯罪を憎悪する冷徹な右陪席判事シム・ウンソクに対し、心に傷を抱える少年たちに寄り添おうとする左陪席判事チャ・テジュを熱演。抑えたトーンの中に温かな人間味と葛藤を滲ませ、物語の確固たる倫理的支柱として機能した。動と静、狂気と慈愛。まったく異なる二面性をシームレスに表現できる点こそが、彼の真骨頂だ。