圧巻の伏線回収!バカリズムドラマはなぜ視聴者を魅了するのか
日本テレビ系で放送され、国内のみならず海外のアワードでも絶賛を浴びた『ブラッシュアップライフ』。主演の安藤サクラとバカリズムのタッグが生み出したこの作品は、タイムリープ・コメディという既存のジャンルに全く新しい息吹を吹き込んだ。主人公が人生をゼロからやり直すという設定自体は珍しくない。しかし、そこで繰り広げられるのは地球の危機を救う壮大な冒険ではなく、平成の市井を生きたごく普通の女性たちの実話のような日常だ。
第1話の何気ないカラオケボックスでの会話、シール交換の思い出、駄菓子屋での小銭のやり取り。一見すると本筋とは無関係に思える無駄話のすべてが、数話先、あるいは最終盤で見事なカタルシスとなって結実する。バカリズム自身が語る脚本の妙は、伏線のために会話を作るのではなく、「日常のリアルな雑談の中に、後から伏線の意味を込める」という逆転の発想にある。視聴者は知らず知らずのうちに仕掛けられた罠に心地よくハマり、何度でも見返したくなる中毒性に囚われるのだ。